先生
「あら、お帰りなさい。
足どうしたの?」


「捻挫。」


その一言だけ答えて、冷蔵庫を開け、
お茶のペットボトルを取り出した。


「やあ、こんにちは。
お邪魔してます。」

ベージュのソファーから腰を上げて、
おじさんが私に笑顔で挨拶をした。


「こんにちは。」


それだけ言ってリビングを出た。


おじさんに逢うのは二度目。


母親の新しい彼氏。

きっと、母親の勤める飲み屋のお客。


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