ユビサキからあなたへ
「なに?」


俺はそっけなく聞き返した。

どうせまたくだらない話をしだすに決まってる。





「昨日千里ちゃんが知らない男と歩いてんの見たんだけどさ…。」



やっぱりだ。

人のプライベートにずけずけと入りこんできやがって。



「その男、大学生っぽかったぞ!しかも親しげだったし…。悠のガード甘いんじゃないの?」

竜二は憎たらしいまでの笑顔を見せた。




人の不幸がそんなにおもしろいか。

意地が悪いにも程がある。



でも俺にはその男に心当たりがあった。
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