偽りの結婚



「私なんかで大丈夫なんですか?他に約束をされていた方がいらっしゃったんじゃ…」


後でベルナルドのファンから厭味を言われるのも嫌だったので確認を取る。




「いや今日はアリアと踊ろうかと思っていたんだ。けれど直前で気が変わったみたいでね」


アリアったら今日まで喧嘩してたのね。

呆れるとともに目の前で困ったように笑いながら肩をすくめるベルナルドが可哀想に思えてきた。







「一緒に踊ってくれないかい?」


私の前に手を差し伸べる。




断る理由もないわよね…

私もペアが居なくて困っているし、ここはお互い助け合わなくちゃ。






「私で良ければ、よろしくお願いします」


差し伸べた手に、そっと自分の手を添えてエスコートされる。



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