偽りの結婚




「僕の妃はシェイリーンだけです」



リエナに意志を示すべく、ハッキリとした言葉で告げる。

すると、ラルフの言葉に満足したのか、リエナはとても嬉しそうにする。





「その言葉が聞きたかったわ。もちろん迎えに行くのよね?」

「当然です」


リエナの問いに、迷いなく答える。

シェイリーンは会いたくないと思っているのだろうが、こんな手紙だけでは納得できない。



本当に離婚したいなら、顔を見て言ってもらおうじゃないか。

まぁ…それで離婚を受け入れるかは別だがな。






「けれど、もう夜も遅いし明日にしなさい」

「しかし…っ!」


迎えに行くのかと聞いてきた癖に、出鼻を挫く事を言うリエナに、反論する言葉が出る。

こんなことをしている間にも、シェイリーンは離れていく。

シェイリーンの事となると余裕も何もないラルフは、今から追いかける気でいたのだ。




「熱くなってもしょうがないでしょう」


そんなラルフに、呆れるリエナ。



< 457 / 561 >

この作品をシェア

pagetop