Parting tears
 えっ? 二人きり? それとも皆で遊ぼうということかな。心臓が口から出そうなくらい私は胸が高鳴っており、和哉から誘われたことが嬉しかった。しかし、私はなるべく平静を装って答えたのである。


「いいよ。今西君とかも一緒?」


「誰か一緒の方がいい?」


 二人きりがいいとは答え辛い私は、上手く言葉を選んだ。


「私はどっちでもいいよ。どうする?」


「どっちでもいいか……。とりあえず、高山台公園あたりで待ち合わせってどう? 真ん中くらいの距離だと思うから」


 和哉は私がどっちでもいいと云った言葉に、ショックを受けているようだった。


「そうだね。じゃ今から向かえばいいかな?」


「分かった。俺も今向かうよ」


 こうして突然、何の前触れもなく和哉と二人きりで会うことに、私は心底浮かれていた。すっかり大輔の存在など忘れ、目の前にあることしか考えられなかったのである。

 電話を切ると、お気に入りの服に着替え、足早に家を出た。

 時刻はドライブに出発した時間と同じくらいで、外は小雨が降っており肌寒い。

 急いで家を飛び出したため、私は傘もささなかったので、高山台公園に着く頃には髪の毛がしっとり濡れていた。

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