Parting tears
第七話 温泉旅行
 私と和哉の日々は続き、一緒に色々なところにも出かけた。

 付き合って分かったことだが、彼は寝坊をすることが多く、待ち合わせに遅れることも多々あり、時には喧嘩もした。けれども彼は優しく、私に対する愛情が伝わってきていたので、満たされていたのかもしれない。

 私達は音楽も好きで、ピアノもよく二人で弾いていた。和哉の家にも私の家にもピアノはあったため、どちらの家で会っていても、音楽と触れ合っていたように思う。そして、和哉が弾くピアノの音色はとても綺麗だった。和哉の長く細い指が奏でる旋律、それは今でも覚えている。


 春になり、まだ少し肌寒さが残る日だったが、私は彼とY県に温泉旅行へ行った。
 途中、可愛いバスタオルを一緒に選び、買い物もし、私達はとてもはしゃいでいる。

 レンタカーを借り、私と和哉は交代で運転していたのだが、車中ラジオからは、最も人気のある歌ベスト十が流れており、歌が好きな私達は大きな声で一緒に歌っていた。


 ♪ I was not able to believe in Though I loved it that much ♪


 一番好きなその曲は「Parting tears」という曲だった。別れの歌なのだが、私達はとても好きで、こうならないようにしよう。などと云っていた。

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