Parting tears
第九話 不安な気持ち
 私は、当時流行っていた「ボン」というキャラクターが好きで、パンに付いてくるシールがあり、それを集めていたり、ゲームセンターでぬいぐるみを取るのに必死になっていた。

 和哉はそんな私によくシールを集めてくれたり、一緒にゲームセンターへ行けばUFOキャッチャーでぬいぐるみを取ってくれていた。


 病院の帰り、洋服を買いに行き和哉と楽しく過ごしていた。
 そして買い物の後ゲームセンターに寄り、大きな「ボン」のぬいぐるみを見つけた私は走り寄った。


「これ大きいね~。取れるかやってみようっと」


「結麻じゃ無理だよ。俺が取ってやる」


 そう云って、和哉は必死になってUFOキャッチャーをした。何度目かで取れた時は二人で喜んだものだ。

 そして帰り道、ふと昨日の電話を思い出し、和哉に訊いた。


「和哉、昨日どこかでかけてた? 電話しても出なかったから」


「ごめん。昨日は兄貴に買い物頼まれて、コンビニ行ってたんだ」


 変だな。家にかけてもお兄さん出なかったし。

< 44 / 79 >

この作品をシェア

pagetop