Parting tears
「家の電話にもかけたけど、誰も出なかったよ」


「ああ、兄貴は電話嫌いだから出ないんだ。それより何か話しでもあった?」


「うん。隼人から電話きたんだけど……」


 私が云い終わらないうちに、和哉は慌てた様子で訊いてきた。


「隼人何だって? 何の用だったの?」


「用ってわけじゃなさそうだったけど、和哉と上手くいってるのか? とか……。そういえば、美久に呼び出されて会ったって云ってたけど、何を話したのかは云ってなかったなぁ」


 すると和哉は難しい顔をして、黙って歩いている。

 高山台公園の前に来た時、座って少し話そうと、私の腕を掴みベンチに座らせた。


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