午前0時のシンデレラ

あたし以外の人を、映さないで欲しい。


これがどういう気持ちかなんて、もうとっくに分かってた。



―――『咲良は―――…柳くんが、好きなんだろう?』





「好きなのっ…!」





一度言葉にすれば、こんなにも。


想いが溢れて止まらない。


「好きなの…柳が、好きなの…!」


パパに問いかけられたとき、ああ、やっぱりあたしは柳が好きなんだ、と思った。


高鳴る胸の鼓動も。

胸がぎゅうっと苦しくなるのも。

もっと知りたいって思うのも。


…全部が、柳が好きだってサインだったのに。


「………っ、」


溢れる想いと同時に、視界が揺らいだ。


柳の表情が、涙で歪んで見えないよ…


「…柳っ…!やな―――、っん!」


急に唇を塞がれ、あたしの言葉は途切れた。


柳の唇が、あたしの熱を奪う。


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