午前0時のシンデレラ
だって、柳は―――魔法使いだもんね?
「柳…」
「ん?」
「…あたしに、魔法をかけて」
あたしの言葉に、柳は一瞬目を丸くしたあと、すぐに微笑んだ。
「―――かしこまりました。シンデレラ」
魔法のような、優しいキスが降ってくる。
魔法のような、優しい温もりに包まれる。
もっともっと、魔法をかけて。
あたしを、柳でいっぱいにして。
「………睦臣」
「………咲良」
名前を呼ぶと、呼び返してくれる。
愛しくて、幸せだと感じる。
―――――甘い甘い、魔法。
‥*END*‥
