午前0時のシンデレラ
だから、まずはショッピングかなって。
ちょうど服欲しかったし。
なのにこの男ときたら、さっきからぐちぐちと…。
「あたしの下僕なら大人しく言うこと聞きなさいよっ」
「さりげなく下僕に変えるな」
ピシャリと言い放たれ、あたしはフンと鼻を鳴らす。
「どっちでも同じでしょ。はいこれ、お会計」
両手に抱えていた服を、そのまま柳に押し付けると、柳はうんざりといった顔をした。
「お前は俺はを一文無しにするつもりか?」
そう言いながらも、柳はあたしから服を受け取った。
「そこらへんで待ってろ」
紙袋をあたしの周りに置き、レジへと向かう柳の後ろ姿を、あたしは黙って見送る。
…文句を言いながら、ちゃんとあたしの要望に答えてくれる。
甘いって言ったらそれまでだけど。
将来貢いじゃいそうなタイプだけど。
でも…素直に嬉しい。