午前0時のシンデレラ

だから、まずはショッピングかなって。

ちょうど服欲しかったし。


なのにこの男ときたら、さっきからぐちぐちと…。


「あたしの下僕なら大人しく言うこと聞きなさいよっ」


「さりげなく下僕に変えるな」


ピシャリと言い放たれ、あたしはフンと鼻を鳴らす。


「どっちでも同じでしょ。はいこれ、お会計」


両手に抱えていた服を、そのまま柳に押し付けると、柳はうんざりといった顔をした。


「お前は俺はを一文無しにするつもりか?」


そう言いながらも、柳はあたしから服を受け取った。


「そこらへんで待ってろ」


紙袋をあたしの周りに置き、レジへと向かう柳の後ろ姿を、あたしは黙って見送る。


…文句を言いながら、ちゃんとあたしの要望に答えてくれる。


甘いって言ったらそれまでだけど。

将来貢いじゃいそうなタイプだけど。


でも…素直に嬉しい。


< 47 / 200 >

この作品をシェア

pagetop