午前0時のシンデレラ

あの家とまだ関わりがあるだなんて…吐き気がする。


あの空気を吸うだけでも嫌っ!


「早く貸しなさい柳!あたしは舞踏会なんか行かないわよ!」


あたしは柳に飛びかかるけど、ヒラリとかわされた。


「…俺は是非、行きたいね」


「は!?」


思いっきり嫌な顔をすると、柳は招待券をヒラヒラと縦に振った。


「見ろ、これ。招待券が3人分」


「…3人分?」


あたしとパパと。

王ノ宮家は今、2人だけ。


あと1人って…


「―――招待されてるんだよ、俺が」


柳はそう言うと、不敵に笑う。


「上等だろ?勝負を挑まれて、逃げるやつが…」


「ダメ!」


あたしが大声を出すと、柳は口をつぐんだ。


「あんたね、池田がどんなに卑劣なやつか知らないから、そんな大口叩けるの!」


柳に殴られて、殴り返せなかったこと。


池田は絶対、柳を許してない。


絶対に…柳を、狙う。


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