大好きな君にエールを
「あの試合は勝ったけど、県大会の予選は決勝で負けたもんな。甲子園まであと1歩だったのに……」
そういえばお母さんが言ってたっけ?『康也くんの高校、県大会は決勝で負けちゃったわね』って。このことだったのかな?
「甲子園の舞台も見たかったし、先輩達と甲子園行きたかったな」
荒ちゃんの本音がスラスラ出てきて、あたしはそれを胸に刻むことしか出来なかった。
でもね、あたしだって同じこと思ったよ。あたしの剣道部も、今年は上まで上がることが出来なかったんだ。
「麻帆にも……甲子園見せらんなかったし」
「へ?」
「俺さ、麻帆に甲子園見せたいんだ。……まぁ、まだ試合には出れるレベルじゃないんだけどさ」