大好きな君にエールを
「嬉しすぎるよ……荒ちゃん」
麻帆の口から小さな言葉。俺は麻帆の頭を優しく撫でた。
「あたし、これ付けて頑張るね。荒ちゃんと一緒に戦ってるって思っちゃうからね」
「おう。俺は、今日の泣き虫な麻帆を思い浮かべながら野球頑張るよ!」
「泣き虫は余計だっつーの」
泣かせたくない。だけど、泣かせてしまったのは俺だ。だから泣かせてしまった分、俺は頑張る。
辛くなっても、歯を悔い縛って何度でも立ち上がってやる。
麻帆……2人で頑張ろう。
遠距離って壁も辛いっていう壁も何もかも。
「荒ちゃん……帰ろっか」
麻帆の声に寂しさを隠すように頷いた。