大好きな君にエールを
帰り道、麻帆と並んで帰った。どちらからともなく手を繋いで帰った。麻帆と並んで話が出来るのは今日だけ。
明日からは……離ればなれ。
これからは忙しくなるから、連絡も取りづらくなるだろう。
わかっているから辛くなった。わかっているから余計に……麻帆の顔を見れなくなった。
だけど麻帆は、一生懸命に俺を焼き付けようとしてくれている。会えない時のために。
だから、俺も俺自身に麻帆を焼き付けた。辛い時、耐えきれない時に麻帆を思いだそう……と。
そして……
「じゃあ……バイバイ、荒ちゃん」
「またな……麻帆」
────短いお別れを交わし、俺と麻帆の幸せな時間は終わってしまった。