大好きな君にエールを
────…
「…帆ー!あ・さ・ほっ!」
「……は、はいっ!!」
「集中してるの?死んだような顔して、そんな顔で練習に出ないで!頭冷やしてきなっ」
「は…はい」
栞先輩に叱られ肩を下ろして道場の外へ向かった。
「先輩、こんにちはっ!!」
4月から剣道部に入った1年生が挨拶を交わす。あたしは慌ててにこりと笑った。
「はぁぁ…」
大好きな胴着を着てるのに、ため息ばかり溢れる。昨日の練習試合の件…荒ちゃんの件と悩みがたくさん出てくる。
「あれ?麻帆じゃん」
すると終鈴を終えたキャプテンが制服のまま現れた。
「もしかしてサボりかー?」
イタズラっぽく笑うキャプテンに胸が痛んだ。