大好きな君にエールを
「はい!!わかりましたっ」
あたしはキャプテンに一礼して道場に戻った。
昨日のボロクソ試合ばっかり気にしてるなんて時間の無駄だ。荒ちゃんに八つ当たりしたのをいくら後悔したって心の無駄だ。
前を向かなきゃ。
昨日の欠点を改善出来るように、工夫して練習しよう。そして荒ちゃんからの電話を待とう。
1週間待とう…もし、大会が終わるまで連絡が来なかったら…
────…会いに行こう。
そして謝ろう。あたしが悪かったんだよって。
場所は春貴に聞けばわかるかな?それとも荒ちゃん家に聞けばいいかな?なんだかわくわくする…
「私情を持ち込まないっ」
栞先輩が冗談っぽくあたしの頭を叩いた。あたしは『すみません』と謝った。