大好きな君にエールを





「荒ちゃんは、実力でキャッチャーを掴みたかったんだよね。…あたしったら、考えなしにキャッチャーになれてよかったねとか言っちゃってごめんね」


「麻帆は悪くねぇよ。勝手に感情をぶつけて、八つ当たりした俺が悪いんだ」


「そんなことない。荒ちゃんをしっかりサポート出来なかったあたしが悪いのっ」


「麻帆…」


今回だけは荒ちゃんが悪いとは言わせない。言わせたくないの。


だって荒ちゃんは苦しんでるんだもん。シゲさんのことやキャッチャーのことで。


だからあたしが、荒ちゃんの『苦しみ』をはんぶんこにして味わうの。


大好きな君の弱さを聞いてしまったから、あたしは君を見守っているだけじゃダメなんだと気づいたんだ。







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