大好きな君にエールを
「…さっきはありがとう、そう言ってくれて嬉しいよ。…あのさ、今から麻帆に弱音吐くけど、いいか?」
ベンチに腰を下ろした瞬間、荒ちゃんの口から出た言葉。あたしはもちろんと言わんばかりに、大きく頷いた。
「俺さあの日、シゲさんが倒れた時に、頭ん中が真っ白になってたんだ」
「うん」
「何が起こってんだ?って。何でシゲさんは倒れてるんだ?って。だって倒れる直前まで、俺は会話をしていたんだからさ…」
荒ちゃんは最初は空を見上げて話していたけど、次第に目線が低くなっていった。
「それから救急車で運ばれるシゲさんを見て、病室で意識が無いシゲさんを見た。…本当は見たくなかった、あんな姿…」
あたしの方をちらっと見た荒ちゃん。
「病院で、永松とも言い合いになって、不安と悲しさと苦しさの感情でもがいていた時、浮かんだんだよな…
麻帆の顔がさ」