大好きな君にエールを
高2の俺だったらきっと、『何言ってんだよ、ピッチャーはお前だけなんだぞ』って逆にプレッシャーをかけてしまうだろう。
だけど…今は違う。
「…怒らないよ。怒れるわけないじゃんかよ」
「何でだ?」
「だって…だって、俺も逃げ出したいから」
俺だって永松の気持ちがわかるから。逃げ出したい気持ちが1%はあるから。
「永松が降板するなら止めはしない。だけど、俺は残る。ベンチにいるお前の分まで残りの甲子園を楽しむつもりだから」
逃げたくない。ホームランを打たれたのは消せないけど、俺たちがここまで這い上がって来たのは、簡単なことじゃないから。
「まぁあとはお前次第だけど、どうす…」
「もう逃げ出さねーよ、あほ」
「へっ?」
「お前だけに、甲子園の楽しさを味あわせたくない。俺だって最後まで突っ走りたいから」