完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>

ROSEの商品、敵同士の想い




「え、本当に持ってないですよ」


首を振って否定していると……カタンと三浦さんがカップを置く音がして、腕がグッと伸びてきた。

そのままじっと固まるあたし。


三浦さんは前のめりになって、長い腕は……そのままあたしの耳へと触れた。




……あ。


三浦さんの指と、あたしの耳の間の金属。



三浦さんはあたしの表情を見て「分かりました?」とピアスを触る。


「これ……」


三浦さんがくれたピアス。


「ROSEは化粧品だけでなく、アクセサリー類も取り扱っているんですよ」



……知らなかった。


じゃああたしは、ROSEの商品を付けて会社に行ってたんだ。

姑さんは、あたしのピアスに気付いてあんな事を言ってたんだ……。




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