完━あなたは、敵━<先生との恋・スピンオフ作品>
第三章

敵の正体



「大丈夫か?顔が引きつってるぞ」


車から降りてホテルへと向かう途中チラっとこっちを見た関谷さんが苦笑する。


……自分でも分かってる。



ほぐそうと笑おうって思うけど、


頬の筋肉が突っ張って上手く笑えないんだもん。

今日は、この前のように何人かの人と一緒ではなくあたしと小村さんの2人。


見上げれば、でっかいホテル。



ここに、うちの会社の商品を置いて貰わないといけないんだ。


かなりの部屋数がありそうだし、一部屋ずつに置いていったらかなりの売上げに……

逆にROSEに契約を取られてしまったらそれだけ惜しい事をするって事で…


自分で考えて自分を追い詰めてるし……。


「大丈夫だって。今日は視察。話を聞きながらしっかり見てれば良いんだから」

無言で関谷さんを見ているとあたしを落ち着かせようとしてくれるけど。




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