あの空の向こうに
【もう一度会いたくてー14】



夜になり、祐平は村人に囲まれ祝福をされていた。






村は巨大な支柱にある炎により、まるで昼間のように煌々としていた。






なるほど…
炎は丸いビンの中で燃え、音が聞こえないようにできている。






祐平は、すでにこの村の女性全員にティナの髪を触らせたが、誰も反応がなく
どうやらこの村にティナの転生はいないようだ。

(女性が男性に転生した事例はないので、とりあえず女性だけに触れさせていた)






だが落ち込む祐平とは逆に、英雄の再来に村人は大いに喜んでいた。







村では上手い料理に楽しげなダンス
(見てビックリ、激しい踊りなのに音を出さない見事なダンス)を披露し

まるで、先代の遺跡に行く前の晩の宴を思い出す。






村では、久々の祝い事に、皆喜びの色を隠せないでいる。






気分の上々とした、ダラまでも絡んできた。






「おいレオン~
お前のせいで族長に叱られたじゃないか~
こいつめ~」







村で祐平のことをレオンと呼ぶのは、唯一このダラくらいであった。







「ハハハ、ダラ~
お前の弟デラは相変わらず臆病みたいだなあ。
今度2人で脅かしてやるか」






「おお、レオン~。
昔から真面目だったお前が、そんなこと言うなんてな~。
やっぱ転生して性格が変わったみたいだな~」






ダラの秘密もバラしてしまったし、祐平はレオンに比べて少し意地悪になったようだ。






だけど、レオンと一番仲の良かったダラは、今でもその友情は変わらないでいた。






昔の友との再会も祝い、こうして宴は夜更けまで続いたのであった。
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