君となら墜ちてもいいよ?
「今は居ないけど…何で?」


「俺、彼氏になりたいな。立候補しても良い?」


今日が初対面だと言うのに、人懐っこさは天下一品。


…というか、図々しさの方が上回っているのかも?



会ったばかりなのに、彼氏に立候補って何?


どうかしてるよ、この子…。


しかもさ、私は教育実習に来た立場だし、相手はそこの高校生だし…。


「からかうのも、いい加減にしてくれないかな?」


私は、アレコレ考える事を止めて、からかいだと思う事にした。


鵜呑みにしたら、自分が馬鹿を見る。


こんな経緯が中田先生の耳に入ったとしたなら、更なる罰を与えられそうだし…怖いよ。


「何で?からかってないよ?一目惚れ…それじゃ駄目なの?」


私はわざと目を合わさないようにと、コンクリートを見つめていたのにも関わらず、顔を覗き込んで来た。


真っ直ぐに見つめられる。


困り果てた、私が視線を横にずらそうと顔を右に向けた時、

頬には柔らかい感触がした。


頬にキスされたのだ。



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