君となら墜ちてもいいよ?
「ごめん…余計な事だったよね?先生を傷つけるつもりはなかったんだけど…。

ただ、必死に涙を堪えてる先生を見てたら、いてもたってもいられなくてさ…」


彼は柔らかく口元だけで笑うと、コンクリートの床にゴロンと寝転んだ。


「そうだ、ホームルームの時、ごめんね。俺のせいで中田に目をつけられたんだよね?

注意しなきゃいけなかったのは俺の方でした…」


言い切ると彼は目を瞑って、私達の真横をヒュウッと勢いのある風が通りすぎた。


風のおかげで目が覚めて、心に切り替え出来たよ。


怒鳴ってごめんね。


彼は私を見ていてくれた、だからこその救いの言葉だったのに…。


自分自身を正当化しようとするあまり、冷静になれなかった。


本当は悔しくて、悔しくて堪らなかった。


『何で私はこんな目に合わなきゃいけないの?』


―――心のどこかで、ずっとそう思っていた。


本当は弱いのに、強くなろうと気ばかり張って…。



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