君となら墜ちてもいいよ?
「温くなってしまったけど、良かったら飲みなさい。…息子が昔、好きでね」


「あっ…有難うございます。息子さん、いらっしゃるんですか?」


「えぇ、バカ息子がね。では、ごきげんよう」


私の机にそっと苺ミルクを置き、シガレットケースらしき物と携帯灰皿を持ち、準備室を後にした。


準備室は禁煙なので、どこか別の場所で吸うのだろう。


またもや意外で、息子さんが居る事、タバコ、…私の為だった苺ミルク。


お弁当を食べ終わると、頂いた苺ミルクにストローを挿し込み、一人きりでポツンとして飲む。


少し生温いけれど、口の中に広がる優しい甘さが妙に身に染みた。


口振りからすると、中田先生には先生なりの事情がありそうだ。


どちらかと言えば、毛嫌いしていたけれど、三日目になり、好きになれそうな兆しが見えてきたり…。


チューッと最後まで飲み干し、ゴミ箱に捨てようと立ち上がったら、準備室のドアが開いた。


「母さん居る…?あ、ルナ先生…?」


彼、だった。


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