君となら墜ちてもいいよ?
中田先生の授業を生徒の後ろで観察していると、アクビが出そうになった。


キビキビと授業は進んで行くが、真面目すぎて面白味のない、つまらない単調な授業。


私が高校生なら、ついウトウトと寝ちゃうな…。


私が社会科の先生になりたいって思ったのは、中学校の先生の影響なんだ。


歴史の授業が面白おかしくて、頭にもすんなり入ったし、勉強する気にもなったんだよね。


お父さん位の歳の男の先生だったけど、“いつか私もこうなりたいな”って思って、憧れが夢に変わった。


「谷川さん、いい加減にしなさいよ、貴方、本当に何しに来たのかしら?アクビなんて、もっての他よ?」


完全にアクビをした訳ではなかったけれど、どうやら見破られていたようで、教壇から怒鳴られた。


教科書を伏せて、バシンッと教壇を叩く。


眠たい体に刻み込まれる音とビクツキ。


眠りこけていた生徒も、どうやら起きたみたい。



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