涙が愛しさに変わるまで
あたしはそっと起き上がって、料理を作ろうとキッチンに向かった。
……なに作ろう。
冷蔵庫を覗いてみても、材料なんて呼べるものはほとんどない。
仕方ない……どこかで食べよう。
あたしはコートを羽織って、外へ出かけた。
……はぁ、どこ行こうかな。
てきとうに歩いているとよさそうな居酒屋を見つけた。
歩くの疲れたしここにしよう……。
ガラガラとドアを開けると、居酒屋らしい大きな声の「いらっしゃいませ」が飛んできた。
あたしはカウンターに通された。