涙が愛しさに変わるまで
「ごめん。それはわかんないや。だけどさ……真依?会社を辞めたって意味わかってる?」
あたしは頭が混乱してて、なにがなんだかわからなかった。
桐沢社長がもう社長じゃなくて……どこにいるかわかんない?
やっぱり何度考えても答えがでない。
「……まぁ、そのうちわかるよ。じゃあ俺行くね。」
亮が帰ることによって、また頭が現実に戻された。
玄関で、亮は靴を履き終えると、振り返った。
「じゃあね。真依」
亮はそれだけ言うと優しく笑い、あたしの家を出ていった。
ごめんね……亮。
それと、ありがとう。
あたしは一つの恋を終えて、また前へと歩き始めた気がした。