涙が愛しさに変わるまで
行きたくないな……。
「……わぁっ!」
いきなり腕を引っ張られて、あたしは居酒屋の間の路地にはいってしまった。
「ばか!静かにしとけ!」
そう言ってあたしを見下ろすのは、今井さん。
上司達はあたしと今井さんに気づくことなく、どこかへ行った。
「な、なんでこんなこと!」
「え?あー!ごめん、ごめん!真依ちゃんもカラオケ行きたくないかなって思ったら……つい?」
今井さんはいたずらっ子のように笑いながら、あたしを見下ろしてくる。
「ついって……」
「ま、一緒に抜けよーぜ!送るからさ!」
………ん?
今井さん……サラッと送るとか言った?