涙が愛しさに変わるまで
あたしからしたら、桐沢社長のほうがイケメンだけど……
負けないぐらい社内じゃ有名なイケメン。
「食べたいくらい」
そう言ってあたしの顎をクイッと持ち上げる。
「やめてください。水野課長?叫びますよ?」
あたしがこんな事言ってる間も、ずっと笑ってる水野課長。
本当に心が読めない。
「そうですか。それは困りますね。」
クスクス笑いながらあたしの頭にポンと手を置いて、水野課長は去った。
いつも突然来て、突然帰る。
確かにかっこいいけど、あたしは桐沢社長以外の人を好きにはなれない。