― Summer Drop ―
辰雄に隠していた訳ではなかった。

東中学校の試合の日程や野球についてのことは、

ほとんど辰雄に訊いていたくらいである。

辰雄が何も言わないので

それで納得しているのだと思っていた。



しかし千夏のいない間に

辰雄に謙太のことを教えることはできない。




朋子はすがる思いで腕時計を見た。


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