― Summer Drop ―
三十分ほど経って、謙太が本を閉じて、立ち上がった。

そのまま荷物を持って行ってしまう。

千夏も謙太が気になって集中できず、書いては消しての繰り返しだったため

今日はあきらめようと思い、席を立つ。

俯いてぼんやりと歩いていたせいで

自動ドアの前で人とぶつかってしまった。

鞄が落ち、中に入れていた筆箱が開いて

筆記用具が散らばる。
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