― Summer Drop ―
五月というには強過ぎる日差しは

今年初めて着た半袖から覗く腕に、容赦なく降り注ぐ。

ポニーテールにしている首筋が、じりじりと日焼けするのが感じられた。

「辰雄また三振かぁ……」

「東中のピッチャー強いなぁ。これじゃ南中勝てんかもねぇ」

千夏と朋子はスタンドに肩を並べて座って、試合を見守る。

先程、対戦校のピッチャーが交代したけれど、辰雄は二打席目も三振という結果に終わった。

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