一人じゃないよ


いつものように亜樹さんが帰ってきたら、夕飯を温めなおす。


たまには出来たてを食べてもらいたいな、なんて思うけど亜樹さんは仕事が忙しいからそれは出来ない。


そういえばあの人から預かった紙袋、いつ渡そう。


亜樹さんが夕飯を食べ終わってからでいいかな。


夕飯の温めなおしをしながらそんなことを考えていた。


「ごちそうさまでした。…美味しかったよ、ありがとう綺咲」


「……あの、亜樹さん。今日のお昼頃にお客さんがきて、これを亜樹さんにって…」


あたいはやっとそう切り出して、亜樹さんに側に置いていた紙袋を渡した。




< 45 / 120 >

この作品をシェア

pagetop