無口なDarling


「まーなぁ。なんか好きな男の話をずーっとベラベラしててさ。」



「いーーっつも昼休みは中庭のベンチに座ってたっけ?」



「・・・え」


両手に顔を埋めていた澄子が、何かピンと来たのか恐る恐る顔を上げる。



「なぁ。“みかん君”ってなんだったんだよ?」



「たけ・・・もしかして・・・」


フルフルと小刻みに震えだす。



「もしかしてさ、一回カバン階段から落として来たの・・・例の秘密の作戦だった?」




「きゃーーー!!」




肩を揺らして笑うと、澄子は布団の中に隠れてしまった。




「なぁ、学年で一番格好いい男って誰よ?」



「もー!!うるさーい!!ばかー!!」




こんなバカな可愛い女は





俺の初恋の女。




そんで、俺の虜。








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