無口なDarling
“~っ友達にっ!私の事紹介したくないから・・・!?”
澄子が泣きながらそう泣き叫んだ。
違う。俺が言ったのはそんなことじゃない。
あんな大勢の前に立つのが恥ずかしくないのかって意味だったんだ。
「澄子、聞けって」
「・・・ヒック・・私の事恥ずかしい?」
「そんな訳ないだろーが」
抱きしめるように澄子を引き寄せる。
一度だってそんな事思ったことねーよ。思うはずないだろ?
確かにダチに紹介するのは気が重い。それは澄子を違う意味で見せたくないだけ。
ダチとは言え他の男に見せんのなんて嫌に決まってんじゃん。もし紹介なんかして澄子があいつの事好きになったら?
あいつが澄子に惚れたら?
世の中なにがあるかなんて分かんないんだ。
「ほん・・・とう?」
「ああ。くだらない事言うのやめろ。」
俺のほうが、いつだって必死なんだよ。澄子に釣り合ってねーのは俺なんだから。
プルルルル
再び俺たちの耳に入ったのは無機質な着信音。
「・・・」
澄子を胸に収めたまま、電話を取る。
「雅?あぁ、」
雅とは、この前から文化祭のことでうるせーやつ。
【な~最後のお願い!コンテスト出てくれよ~!お前みたいなイケメンが出ると盛り上がるんだよ!頼む!】
「・・・」
澄子は不安そうに俺を見上げている。
「分かった。出る。その代わり今度飯おごりだからな?」
【マジ!?さっすが猛っ♪おごるおごる!】
「おー」
【じゃあ頼むなー!】
「おー」
【じゃな!また!】
そう言って、嵐のような電話は終わった。