無口なDarling


猛がキスをしてくれた。



いつものような、少し強引な甘いキス。



猛があまりにも冷たく笑うから、すごく怖かった。



猛と一緒にいるのに違う人のことを少しでも考えてしまった私に、愛想を尽かしたんじゃないかって。


嫌われちゃったのかって。



別れるのなんて絶対嫌だった。



でも猛は抱きしめてキスをしてくれた。



耳元で、好きだって言ってくれた・・・



「ごめんな」


少し顔を離されて、額をつけたまま猛が謝った。



「?」


「いくら俺でも怖かっただろ?」



ゆっくりと私の頬を撫でて、悲しそうな顔をする。



「ごめんな・・・」


ふるふるっと首を振る。



「澄子、泣くなら俺の前で泣け」


そう猛にやさしく言われたところで自然に涙がこぼれた。



「ふぇ・・・」

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