宝石よりも

美夜に会いに行こう



そう思った俺はまだ日が昇る明るい時刻にも関わらず、美夜の部屋の前まで足を運んだ。



謝りたい。


美夜を抱きしめたい。



美夜の部屋のチャイムを恐る恐る押した。



ピンポン



「………」



無反応。


もう一度押した。



それでも、美夜の声は聞こえてこない。


出かけてるのかな。
それともまだ学校から帰っていないのか……


とりあえず今は帰ろうとして踵を返すと、隣の部屋の住民らしいおばさんに声をかけられた。

< 77 / 103 >

この作品をシェア

pagetop