闇の花~2人の殺し屋~
きっとその中には私が殺った事件もあるって言いたいような目ね。
「じゃあ行ってくるわ」
山岸は体を起こし、入口のほうへ歩き出した。
「--山岸」
私は後ろから呼んだ。
「さっき言ったわよね。
『私に罪の意識はないのか?』って。
・・・・・あるわよ。
私は何人もの人の人生を勝手に終わらせてきた。その十字架は一生背負って生きなければいけない。
それが私の…殺し屋“ヒース”のやり方よ」
だけど、いくら重い十字架を背負うとも私は殺し屋をやめるつもりはない。
私は…闇の中にしかいてはいけない人間だから--
「・・・・・・そうだと思っていたよ」
山岸は優しく微笑んだ。