闇の花~2人の殺し屋~
話しているうちに目がどんどんすさんでいった。
もう別の人物だ。
「だから殺し屋に頼んだんです。『先生を消してほしい』と。
すると先生が行方不明になりました。もう他の女の側にいないと思うと嬉しくなりました」
足達はニッコリ笑うけど俺には悪寒が走る。
「…他の2人も同じか?」
「はい。他の女といると思うと気持ちが止まらなかったんです。
山岸先生も同じでした」
足達は俺のほうに1歩踏み出した。
「どうして…ダメなんですか…?」
「あだ・・・」
「毎日毎日先生のことを考えて、想い焦がれて!あなたの姿を、声を聞くたびに好きになっていくのに!
こんなにも愛しているのにッ!!」
これが足達の本音。
これは恋する乙女とか、そんな甘ったるいものじゃない。
狂った欲望まみれの女。
「…最後の忠告です。私と付き合ってくれますか?」
…これが高校生の発想かと思うと恐ろしすぎる。
今まで高校生の依頼人はいたがこんなに感情が歪んでいる奴は大人ですらあまりいない。