闇の花~2人の殺し屋~




――――――――――――



“カランッ”


ヒースと別れた後、俺は冷さんの店に来た。





「どうしたんだ?ラック。今日は直で帰っていいと言ったはずだ」



「いや…少し飲みたくてさ」



「そうか……」


そう言って冷さんは酒を出してくれた。




本当は帰るつもりだったが、なぜか体の中の熱が冷めない。






「で?…どうだった、ヒースは」



「噂以上すね。ここまでとは…
正直、圧倒されましたよ」





別にヒースを見くびっていた
わけじゃない。


情報は少ないとはいえ、ただ者ではないことは瞬時にわかった。


若さとか女だとか、そういうの全部抜いても
あそこまでの腕前の奴なんて
そうそういない。





「特に、あのワイヤー。
冷さん、どこで見つけてきたんすか?」




「俺が見つけたんじゃない。
あいつが俺のとこに来たんだよ」




やってきた…?



「それって、どういう・・」



「これ以上は秘密だ」



「・・・・・そうですか。じゃあ帰ります」



「あぁ。・・・そういや、ラック。再来週ぐらいから新しい仕事につくんだろ?」


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