さくらとりんごとさきとのぞみ
01
今日は入学式。
俺が今から通う高校は偏差値が高くもなければそこまで低いわけでもない
どこにでもありそうなごく普通の高校だ
だがそんな高校でも、期待で胸がワクワクするのはやっぱりどこの高校でも同じなんだろう
どんな奴と同じクラスなれっかなーとか色々考えてしまうもんじゃん
そんな期待と不安が入り交じるなか俺は目を見張った
そこに立っていたのは俺が小学生で転校したときに、別れたとても仲のいい幼なじみだった
会うのは小学校のとき以来だったが顔も体も多少大人っぽくはなっているが
まあ、全然かわってねえ・・・てか、胸もっと大きくなれよ
あのときの姿形だけをそのまま大きくしたようなものである
しかもあいつの癖は変わっていなかった
あいつは緊張しているとすぐに手をモジモジさせるからな
まさかそんな偶然もあるもんだな・・・・
俺は迷いもなくそいつに声をかけた
「よっ!さくら!久しぶりだな〜」
さくらは振り向いて俺と同じように目を見開いた
だが、その後わざとらしくこう答えた
「あんただれ?」
「おい、俺のことわかんねえのか?」
「大体入学早々ナンパってあんたマジキモいわよ?話しかけないでくださぃ」
「お前さくらじゃねえのか?」
「うるさいわね!黙ってくださぃ!」
そういうとさくらはプイッと顔をそっぽに向けどこかへ歩いていってしまった
はぁ・・・・こいつ・・・・昔と性格かわってねえな・・・・・
まあ、こいつが怒るのも無理はない
俺は転校するとき悲しい顔をみんなの前でするのもみんなが悲しむ顔もみたくなかった
だから、誰にも言わないで転校してきたんだ
転校したあとに何通かさくらから手紙きて
あのときはかなり怒ってるかんじだったからなー
無理してわざとおこってるんだろう
まあいっか、入学式おわってから見つけたら謝るか
あんときはみんなに笑顔でバイバイする余裕なかったってな
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