嘘つき③【-束縛-】

乱れる吐息、重なる肌。

冷めた瞳。



なのに、重なる唇は吐息より甘くて、まだ触れてもいないのにそれだけで身体中痺れる。


どんな時でも、この人の感情は読めない。


決して見せない。


知らない事が、


分からない事が、多すぎる。



だけど、触れ合う身体は正直で、



疼く体。


突き抜ける感覚。




「…抱いて下さい」





あたしは小さく言葉を落とす。

求める欲に逆らわない。


何も、考えられない。



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