嘘つき③【-束縛-】
「まあ、そこに、いたのよね。まー絵になる2人が」
里穂はあっさり言ってくれたけど、あたしは落胆でいっぱいだ。
「美男美女よね」
確かに、そう。琴音さんっていくつなんだろ。大学卒業したばかりだって聞いてるから22、3。それにしては落ち着いてるような。
「だけど、あの2人なんか変だよね」
「なにが?」
「なんかさー、部長敬語だし、確かにお似合いなんだけど壁があるっていうか」
里穂は思い出す様に首を傾げた。
「席が近かったからね、まあ部長は気付いてないみたいだったしわざわざ挨拶するのもどうかと思って、まあ、結果的に挨拶はしたけど」
したんだ。
「それで?」
「んー、なんか部長冷たいんだよね。口調もそうなんだけど、恋人と一緒にいる感じじゃないというか…」
里穂は考える仕草を作る。納得行かないようなそんな口調。
だけど、
「気のせいじゃない」
あたしはフッと息をついた。