嘘つき③【-束縛-】
―――――――――――――…
『誰…ですか』
あたしに似た人。
愁哉さんは自嘲するように笑う。
『君のようにぶれない、芯が強い』
あたしは、そうじゃない。そうなりたいけど、そうはなれない。
似てない、
どこも。
あなたはどこを見ていたの?
外見でもない、性格ですらないなら
どれだけ深い愛で、
彼女を見つめていたのか。
愁哉さんは、『一番近くにいるのにな』そう言った。
あたしが思いつくのは、
一人しか知らない。
『琴…音さん?』
部長は肯定も否定もせず、切ない程、不器用に笑った。
Fin