キミがくれた光




耳が痛くなるくらいの大音響の中。


ゲームセンターの片隅。




大声を出さないと聞こえない私の声。





せめて、もう少し良い場所でお別れしたかった。



思い出の海とか、初めて手を繋いだ映画館とか、初めてキスしたあいつの家とか。





どうしてこんな場所で……




毎週見かけるダンスゲームの達人を横目で見ながら、私は涙を飲み込む。






『人の男に手出すなよ』


言った自分が恥ずかしい。




私が言われる立場だったなんて。






半年間も付き合った彼氏は、彼女持ちだった。



違う高校だから、私は彼氏の言葉を信じるしかなかった。






『お前とは運命感じた』なんて。



今から思えば、そんなセリフが言える男はろくなもんじゃない。







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