泣き恋
バタン。
大きな音をたてて
後ろで非常扉が閉まる。
その瞬間、
私は現実に引き戻された。
『私、何してるんだろ。
何、笑ってるんだろ』
押さえ込まれてた感情が一気に溢れだす。
『達也を殺したのは私―――
達也の人生を奪った。
私は、達也の人生を…』
ドン!
一瞬、
まだ「死にたい」って気持ちが
自分の見えないどこかにあったのかと思った。
その意思が、背中を押して、カラダを階段から突き落としたのかと思った。
それならそれでもいい…。
そのまま、前に体重を預けて目を閉じる。