天然彼女の愛し方(完全版)



翌日…




『あのー、廉君』

「…何?」






『この体制
恥ずかしいから離してくれませんか?』


社会化準備室のソファーに座った俺の脚の間には
ミニトマトのようにちょこんと真っ赤な顔をして縮こまっている春華


「や だ」

俺はわざと首筋に唇を押し付けながら話す

ビクッと予想通りの反応をして
潤んだ目で訴えかけてくる



…昨日の俺の気持ちを味わってほしかっただけなのに

何でこんな顔するかな…



絶対俺がこの顔弱いこと知ってて使ってるんじゃないかって思ってしまう


だけどこれが本気で無意識だから恐ろしい



だからこのちっこい生き物を
時々無性に壊したくなるときがあるが

今は…我慢しといてやるよ



『れんく~ん、本当に離してくれないと心臓が持ちません』

「大丈夫だろ、少しずつ慣れていけば」




《少しずつ》

今の俺たちには

そのぐらいが丁度いい







天然彼女の壊し方
(まだ知らなくてもいいことが世の中にはあるのです)





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