天然彼女の愛し方(完全版)
『ありがとうございました!
…シュンちゃんがこんな時間まで遊ばなければ濡れずに帰れたのに』
『うるせぇ!黙れ!』
この餓鬼…
反抗期かよ
ギャーギャー餓鬼の言い合いを聞く中で
男の方の名前が『シュン』で
女の方の名前が『レイ』だと知った
俺と春華は顔を見合わせながら
複雑な表情をして見守っていた…
『廉君…どうしよう』
もうそろそろこの喧嘩腰の言い合いが不安になってきたんだろう
心配そうな表情で俺を見上げてきた
「ほっとけ、大丈夫だろ」
喧嘩なんてこのくらいの時期にはよくあることだし
『でも…』
まだ眉を下げた情けない顔をしている春華の唇に
俺は顔を近づけた
『んっ…』
「黙って」
俺がそういうと観念したのか
おとなしく俺にキスされていた
…しばらく唇を堪能していたら
横から視線を感じた
『…あ』
「・・・・・・」
そこには
言い合いをやめてこっちをじっと見る
二人の餓鬼の姿があった…